七宝焼の豆知識
七宝焼の「まめ知識」をちょっと紹介。
(: 湘南七宝燒ペディアとして使ってください :)

たまに説明が飛躍したり、例えがわかりにくかったり
大雑把すぎたり、誤解のある表現になるかも知れません。

前もって謝っておきます。ご指摘いただければ幸いです。



素地〜金属いろいろ

焼き物というと、陶器や磁器が思い浮かぶと思います。
陶磁器は、ご存知のように、土・粘土が素地ですね。

七宝焼の素地・土台は、「金属」です。銅、銀、金を使うことが多いです。
金属の焼き物と考えるとわかりやすいでしょうか。

金を素地にしちゃうと、すんごく高価なものになるので、アクセサリーとかにはいいですが、食器はなかなか作られませんね。
素地に使うのは、銅が多いです。当工房では純銅を使います。工房によっては銅系の金属の真鍮や丹銅を使っていることもありますね。

金属素地の焼き物というと、多くの方は、「じゃ〜割れないんですね?」と質問されます。
そうです。そうなんです。素地はよほどのことがない限り、真っ二つになったり、粉々になったりしません。

でも、表面の「釉薬(ゆうやく・うわぐすり)」は、ガラス質なので、ヒビが入ったり、欠けたりします。
だから大切に扱ってほしいんですね。

とはいえ、普通に使ってるうちに、欠けたり、ヒビが入ることがありますよね。
でも、七宝焼きは、補修して焼き直して、欠けやヒビを直すことができるんです。
だから、当工房では補修サービスをしてるんですよ。
大切なものだから、永く使いたいですよね。

話が、素地から飛んじゃいましたね。
そう、七宝焼きは、基本、金属の素地なんです。
銅や銀、金以外にも金属ってあるけど、他の金属は使わないの?って思いますよね?

先人たちもそう思ったので、「鉄」を素地にして釉薬を焼き付けたんですね。
それが、「琺瑯(ホーロー・ほうろう)」なんです。
現在のホーロー製品は、基本「鉄」が主です。

日本製だけじゃなく、フランスのホーロー鍋、人気のストウブやル・クルーゼも鉄が素地ですよね。
鉄は、そのままじゃ錆びるけど、釉薬を焼き付ければ、錆びないし綺麗だしイイですよね。 そんな風にも、七宝焼き由来の技術が使われてきたんです。

その他、アルミニウムを素地に使える?と聞かれることもあるんですが、普段使っている、銅用の釉薬は焼き付けることができないです。
アルミニウムは660℃くらいが融点なので、私たちが焼成する800℃以上だと、どろどろに溶けちゃいますね。
融点や膨張係数やいろいろな条件があって制作ができるんですね。



釉薬〜彩色いろいろ

七宝焼きの大きな特徴の一つは、やはり色ですよね。
七宝焼と呼ばれるようになったのも、宝のような、今でいうと宝石のような焼き物だということですから、綺麗な色が特徴です。

この色は、どうやってできるんでしょうか。
大まかにいうと「宝石の色の素」と同じなんです。だから、昔々の「宝のような焼き物、宝石のような焼き物」というのは、合っているんですね。
じゃあ、宝石の色、七宝焼きの色ってどうやって発色しているんでしょう。

七宝焼の色は、金属の色なんですね。
金属の色?っていうと、鉄、銅、銀、金、などの色を思い浮かべるかもしれませんが、そのままの色とはちょっと違います。

花火の色は、なぜ赤や青や緑の色をするんでしょうか?
あれも金属の色なんです。金属が燃えたときに花火の色になるんです。これは「炎色反応」といいます。

宝石や七宝焼の「色の素(もと)」もおなじような感じでしょうか。
金属の「イオン」などが要因となって光が反射して、青や緑、黄や赤の色として目に映ります。

まさに、七宝焼が「つかう宝石」とお伝えしている所以(ゆえん)です。

身の回りにあるガラスも同じ作用で発色しています。
鉄、銅、銀、金、ニッケル、クロム、マグネシウム、アルミニウム、チタンなどなど、いろいろな金属がありますが、いろいろな組み合せや分量で、ガラスに融け込んで、いろいろな色になるんですね。

じゃあ、ガラスってなんでしょうか。
簡単にいうと、二酸化ケイ素(SiO2)を主成分として作られた物質というような表現があたってるでしょうか。
この「二酸化ケイ素」を、綺麗に並んでできあがったのが「水晶」ですから、これもまた「宝石」につながりますね。
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