七宝焼きの大きな特徴の一つは、やはり色ですよね。
七宝焼と呼ばれるようになったのも、宝のような、今でいうと宝石のような焼き物だということですから、綺麗な色が特徴です。
この色は、どうやってできるんでしょうか。
大まかにいうと「宝石の色の素」と同じなんです。だから、昔々の「宝のような焼き物、宝石のような焼き物」というのは、合っているんですね。
じゃあ、宝石の色、七宝焼きの色ってどうやって発色しているんでしょう。
七宝焼の色は、金属の色なんですね。
金属の色?っていうと、鉄、銅、銀、金、などの色を思い浮かべるかもしれませんが、そのままの色とはちょっと違います。
花火の色は、なぜ赤や青や緑の色をするんでしょうか?
あれも金属の色なんです。金属が燃えたときに花火の色になるんです。これは「炎色反応」といいます。
宝石や七宝焼の「色の素(もと)」もおなじような感じでしょうか。
金属の「イオン」などが要因となって光が反射して、青や緑、黄や赤の色として目に映ります。
まさに、七宝焼が「つかう宝石」とお伝えしている所以(ゆえん)です。
身の回りにあるガラスも同じ作用で発色しています。
鉄、銅、銀、金、ニッケル、クロム、マグネシウム、アルミニウム、チタンなどなど、いろいろな金属がありますが、いろいろな組み合せや分量で、ガラスに融け込んで、いろいろな色になるんですね。
じゃあ、ガラスってなんでしょうか。
簡単にいうと、二酸化ケイ素(SiO2)を主成分として作られた物質というような表現があたってるでしょうか。
この「二酸化ケイ素」を、綺麗に並べてできあがったのが「水晶」ですから、これもまた「宝石」につながりますね。