今年はクマの被害がとても多く連日ニュースになっていますね。
私たちも、秋田県や岩手県にイベントに行くことがあります。
行ったことがある地域、馴染みのある場所で、熊が出没するニュースに驚きと恐怖を感じています。
被害に合われた方には心からのお見舞いと、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするばかりです。
わたしたちの工房のある神奈川県、茅ヶ崎でも、昨年からニュースになっていた猿、左手のない猿が出没しました。今年の夏に、当工房の植木が被害を受け、防犯カメラを確認したら、左手のない猿が、へし折った枝で遊んでいました。映像で見る限り、2本足でスキップするように歩き、子供のようで可愛らしくも思えましたが、目の前に現れるとちょっと怖いだろうな〜と思います。
この辺りに猿が現れること自体が「普通」ではなく今まででは考えられません。ということは、いつか熊がこの場所に現れるかもしれない、人的な被害が出るかもと想像すると、ぞっとします。
各所で早く対策が行き届き、平穏な日々となるように願います。人間にとってだけではなく、熊や野生動物だちにとっても平穏な時と所があるように願います。願うだけではなく、自分たちも人ごとではなく、自分ごととして対策しないとなと感じています。
そもそも、要因は私たち人間であることも多いですよね。温暖化だったり、山や森を切り開きすぎたり・・・批判や非難ではなく、事実として反省するべきは反省、自省我省しないといけませんよね。
原因になる要因もさまざまなことがあるんでしょうが、拙速に「結果、効果」を急ぎすぎることにも多くあるんだろうな〜と感じています。
ある程度、時間をかけることは、どんなことにも必要です。
「タイパ・コスパ」に言い表されるようなことは、回り周って、好ましい状態にはならないんだろうな・・・と思います。昔々から偉人や哲学者たちもそう言い残しています。人間が抱える課題なんでしょうね。だからこそ「気づき」意識することが大切なんでしょうね。
時間は、人それぞれです。感じ方も、使い方も、使える時間も。だからこそ、自分自身で感じて、考えて、自分なりの時間をかけることが大切だと思います。

ミニ・ウォールシリーズに合わせた「ものがたり」を作っています。「時間」のあるときにゆっくり楽しんでみてください。ちょっと絵本のようなテイストになっているかな〜と思います。
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「いも坊」ものがたり
むかしむかし、ある村に、いも坊とよばれる少年がいました。
いも農家の子で、立派なさつまいもを育てています。
あるとき、いも坊は、物足りなくなって
自分で採った芋を使った料理づくりに夢中になります。
焼いたり、煮たり、他の食材や飲み物と合わせたり
工夫を重ねた料理はとっても評判がよく
村から遠いところからも、お客さんが来るようになりました。
そんなとき、農業にとてもくわしいエゲレス人が海を渡ってやってきます。
いも坊にそのエゲレス人は「ホッタイモイジルナ」といいます。
くりかえし言ってきます。「ホッタイモイジルナ」
意味がわからないいも坊は
「掘った芋はそのままにしておけ」ということかと思い
収穫した芋を土の上に置いたままにしておきました。
エゲレス人はなんだか困った顔でどこかにいってしまいました。
そんなことがあってしばらくすると芋は芽を出してしまいました。
芽が生えた芋は食べても美味しくありません。
いも坊は、不思議に思いました。
「エゲレス人が言ったあの言葉には
どんな意味があったのだろう?」と考えつづけました。
やがて、いも坊は、芋を置く場所や、時間を変えたり、
風通しをよくしてみたりと試してみるようになります。
そうするとなんと!
思いがけず芋が甘くなり、とても美味しくなったのです。
こらした料理よりも、シンプルに仕上げたお芋さんがいちばん美味しかったのです。
いも坊は気づきました。
「自分なりにシンプルにじっくりと時間をかけて考えてみることが大切なんだ」
それ以来、いも坊は
どんなことも「芋」のように、深く掘り下げて考えるようになり
やがて「いも博士」と呼ばれるようになりました。
いろんなところで、いろんなひとに、芋の収穫や貯蔵方法を教えて
とっても喜ばれたということです。
少しだけ自分の料理も紹介して楽しく過ごしましたとさ。
めでたしめでたし
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どうぞ自分時間を楽しんで好い秋をお過ごしください!